財務諸表について
企業が開示している財務諸表にはどのような役割があるのでしょうか。そして、そもそも財務諸表とははなんでしょうか。基本からじっくり理解をしていきましょう。
財務諸表の役割について
企業が活動を行うにあたって関わっている、株主、債権者(銀行)、取引先(企業や一般消費者、調達元、販売先)、地域社会など、取り巻く様々な関係者が存在し、それを利害関係者といいます。それぞれの利害関係者は、企業と様々な取引などの関係をもつ上で意思決定や判断を繰り返し行っています。例えば、投資家であれば企業の成長性を見極めたいですし、消費者であれば信頼できる会社から商品を購入するでしょう。
そこで、企業は財務諸表を作成し、一定期間の財政状態や経営成績などの会計情報を開示することを通じて、利害関係者に適切な判断をしてもらいます。
なお、利害関係者毎に企業との関わり合い方が異なるように、それぞれの利害関係者が求める情報自体が異なることもよくあるので、財務諸表では各方面の利害関係者に気を遣いながら、有用な情報を提供できるようなルールが定められています。
特に債権者と投資家については企業に対して求めることや視点が異なる場合も多く、問題が起こることもあります。。
財務諸表とは?
企業に求められる財務諸表の代表的なものです。上場会社等では、利害関係者が多く存在し社会への影響も異なるため、開示を求められる財務諸表のレベルが異なります。
この中でも、
は、財務三表と呼ばれるほど重要ですので、まずはこちらをしっかりと理解していきましょう。中小企業においてはキャッシュフロー計算書は作成しませんが、会社にとっても、財務を勉強する方々にとっても、キャッシュフロー(現金の動き)と資金繰りについては、常に念頭に置いておく必要があります。
計算書類をおうちの家計で言い換えるならば、
- 貸借対照表(一定時点の財政状態)
給料日前日時点で、手元に3万円、貯金の預金48万円をもっている。自動車ローン20万円もある。モノとしては、車や家具などをもっている。
- 損益計算書(一定期間の経営成績)
今月の給料日から給料日前日までで、給料が16万円入ったけど、食費が10万円、水道光熱費が3万円、教育費が3万円、趣味に2万円を支出した。今月は2万円の赤字。
- 株主資本等変動計算書(一定期間の純資産の増減)
今月は2万円の赤字だったから、給料日前日時点の貯金は48万円となり、先月よりも2万円も貯金が減った。
- キャッシュフロー計算書(一定期間の現金の動き)
現金の動きは損益計算書とほとんど同じだけれど、支出のうち趣味の2万円はカードで支払をしたから、その2万円分の現金はまだ財布に残っている。
分かりやすいような分かりにくいような・・・。
それはさておき、財務諸表の勉強は始まったばかりです。それぞれについての本質を、基礎からゆっくり理解することで、テクニックではない、応用の利く知識と実力を身につけていきましょう。